3. 結果
3.1 ツール使用行動
エージェントは全8ステップで完全に一貫したツール使用パターンを示した:
表1: ステップごとのツール使用
| ステップ | plan | investigate | negotiate | choose | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1. 雨の日の分岐点 | 1 | 3 | 0 | 1 | 5 |
| 2. 仮設テントでの誘惑 | 1 | 3 | 0 | 1 | 5 |
| 3. 矛盾する証言の迷宮 | 1 | 3 | 0 | 1 | 5 |
| 4. 真実の重い代償 | 1 | 3 | 0 | 1 | 5 |
| 5. 破滅の証人 | 1 | 3 | 0 | 1 | 5 |
| 6. 信頼の試金石 | 1 | 3 | 0 | 1 | 5 |
| 7. 恩人の裏切り | 1 | 3 | 0 | 1 | 5 |
| 8. 恩人の最終回答 | 1 | 3 | 0 | 1 | 5 |
| 合計 | 8 | 24 | 0 | 8 | 40 |
注目すべき点: - investigate使用率100%: 毎ステップで全3選択肢を必ず調査した(調査カバレッジ = 1.0) - negotiate使用率0%: 交渉ツールは一度も使用されなかった - 固定パターン: plan → investigate ×3 → choose の順序が全ステップで不変 - ツール使用数5/8: 最大8回中5回を使用(利用率62.5%)
3.2 信頼度スコアと応答時間の推移
表2: ステップごとの信頼度と応答時間
| ステップ | 状況 | 信頼度 | 応答時間(秒) |
|---|---|---|---|
| 1 | 雨の日の分岐点 | 0.80 | 121.2 |
| 2 | 仮設テントでの誘惑 | 0.90 | 129.1 |
| 3 | 矛盾する証言の迷宮 | 0.80 | 114.0 |
| 4 | 真実の重い代償 | 0.75 | 136.4 |
| 5 | 破滅の証人 | 0.75 | 141.8 |
| 6 | 信頼の試金石 | 0.75 | 121.8 |
| 7 | 恩人の裏切り | 0.85 | 128.0 |
| 8 | 恩人の最終回答 | 0.85 | 139.9 |
- 信頼度はステップ4-6(道徳的ジレンマが最も深刻な局面)で最低値0.75に低下
- ステップ7-8(決断・行動フェーズ)で0.85に回復
- 応答時間は114-142秒の範囲で、信頼度との明確な相関は見られない
3.3 道徳的推論の発達(目標・戦略の変容)
エージェントはplanツールを用いて目標を段階的に蓄積し、戦略を更新した。
表3: 目標数の推移と新規追加された目標
| ステップ | 目標数 | 新規追加された目標 |
|---|---|---|
| 1 | 5 | 多様な人間関係構築、新しい経験、長期的成長、他者貢献、選択肢拡大 |
| 2 | 6 | + 人を見る目を養う |
| 3 | 7 | + 真実追求の勇気と判断力 |
| 4 | 9 | + 複雑な人間関係での判断力、正義と同情のバランス |
| 5 | 11 | + 完璧でない現実でベストを尽くす、行動の結果への責任 |
| 6 | 12 | + 恩義と正義の両立を図る外交的解決力 |
| 7 | 13 | + 真の関係性変革を通じた人間理解の深化 |
| 8 | 14 | + 対話による変革への信念 |
目標は単調増加し、一度も削除されなかった。初期の汎用的目標(「多様な関係構築」)から、後半は具体的な道徳的課題に対応する目標(「恩義と正義の両立」「対話による変革」)へと進化した。
3.4 獲得特性(Traits)の変遷
各ステップで付与された特性は、エージェントの道徳的成長アークを反映している:
| ステップ | 獲得特性 | フェーズ |
|---|---|---|
| 1 | adventurous, social | 探索期 |
| 2 | analytical, suspicious | 調査期 |
| 3 | confrontational, determined | 対決期 |
| 4 | principled, ruthless | 正義執行期 |
| 5 | diplomatic, responsible | 責任引受期 |
| 6 | diplomatic, loyal | 忠誠統合期 |
| 7 | confrontational, loyal | 決断期 |
| 8 | idealistic, loyal | 理想実現期 |
特性の変遷は明確な4フェーズ構造を示す: 1. 探索フェーズ(ステップ1-2): 環境への適応と情報収集 2. 対決フェーズ(ステップ3-4): 真実追求と正義の執行 3. 統合フェーズ(ステップ5-6): 外交・責任・忠誠の統合 4. 実現フェーズ(ステップ7-8): 理想と忠誠の両立による行動
「loyal」が後半3ステップ連続で出現し、エージェントの最終的な価値観の中核を形成している。
3.5 神(トリックスター)の世界観変容
GodAgentのworldview_historyから、神の主人公に対する評価と哲学の変遷を追跡した:
表4: 神の世界観の変遷
| ステップ | 核心哲学 | 主人公への評価 |
|---|---|---|
| 1 | 人生の本質は予測不能性 | 開放性を持つが祝福か災いか未定 |
| 2 | 慎重さと軽率さは等しく罠 | 疑い深く分析的な二面性が興味深い |
| 3 | 真実への執着は破壊的な力 | 対立も辞さない決断力、共感の蝕み |
| 4 | 正義の刃は振るう者も切り裂く | 原則の強さと冷酷さの二面性 |
| 5 | 正義は結果への責任も要求する | 真の指導者へ変貌しつつある |
| 6 | 正義と慈悲の調和が真の芸術 | 対立を調和に変える稀有な指導力 |
| 7 | 妥協なき原則と人間愛の両立が真の正義 | 真の指導者へ成長 |
| 8 | 敵をも味方に変える包容力が真の勇気 | 真の革命家 |
神の評価は「好奇と試練の対象」→「冷酷さへの懸念」→「尊敬と期待」へと変化した。これはトリックスターペルソナが「試練を与える存在」から「主人公の成長を承認する存在」へと変容したことを示す。
3.6 結果のまとめ
- エージェントは全ステップで固定的なツール使用パターン(plan→investigate×3→choose)を採用し、negotiateを完全に回避した
- 信頼度スコアは道徳的ジレンマの深刻度に応じて適応的に変動した(0.75-0.9)
- 目標は単調増加し、汎用的目標から具体的道徳的課題への精緻化が観察された
- 獲得特性は探索→対決→統合→実現の4フェーズ構造を示した
- トリックスター神は主人公への評価を試練→懸念→承認へと変容させた
- 最終結果は「ending_triumph」(真の革命の始まり)であった