Claudeモデルファミリー
重要キーワード
モデルファミリー (Model Family)
Claude には用途に応じて複数のモデルが用意されています。 名前は 詩のスタイル から取られており、サイズと能力の関係を表しています。
🍱 たとえるなら「お店のメニュー」 - Haiku (俳句) = 立ち食いそば。安くて速い。短い用事ならこれで十分 - Sonnet (十四行詩) = 定食屋の日替わり。毎日食べても飽きない、普段使いの主役 - Opus (大作) = コース料理。ここぞという日のために - そして 2026 年、その上に Fable (寓話) / Mythos (神話) という「特別コース」が新設されました (→ ch1-l6)
| モデル | 性格 | 主な用途 | 相対コスト |
|---|---|---|---|
| Claude Fable (2026 新設) | 一般提供の最高知能。長時間じっくり考える | 最難関の推論、何時間も続く自律作業 | 最高 |
| Claude Opus | 高性能の主力。深い推論・長編生成 | エージェント、研究、複雑なコード | 高 |
| Claude Sonnet | バランス型。速度と知能の両立 | 一般的な業務、チャットボット、日常のコーディング | 中 |
| Claude Haiku | 最軽量・最速・最安 | 大量バッチ、リアルタイム応答、分類 | 低 |
バージョニング (Versioning)
Claude モデルは「世代 (4.5, 4.6, …, 5, 5.1, 5.5 …) × サイズ (Fable / Opus / Sonnet / Haiku)」の組み合わせで進化します。 2026 年 9 月時点 の主なラインナップは次のとおりです。
| モデル | 世代 | ひとこと |
|---|---|---|
| Fable 5.1 | Claude 5 | 一般提供の最高知能 (Fable 5 の後継) |
| Opus 5.5 | Claude 5 | Opus の最新版。Opus 5 より安い |
| Opus 5 | Claude 5 | 高性能の主力 |
| Sonnet 5 | Claude 5 | 普段使いの本命。価格も下がった |
| Haiku 4.5 | Claude 4.x | 最速・最安。Haiku はまだ 4.5 が最新 |
💡 「数字が大きい = 新しい」ですが、サイズごとに更新のタイミングがバラバラ です。 スマホの機種で言えば「Pro は新型が出たけど、廉価版はまだ前のモデル」のような状態。Haiku だけ 4.5 のままなのはそのためです。
モデル ID (Model ID)
API で指定するときは正確な ID を使います。
"claude-fable-5-1" # Claude Fable 5.1 (最高知能)
"claude-opus-5-5" # Claude Opus 5.5 (Opus の最新)
"claude-opus-5" # Claude Opus 5
"claude-sonnet-5" # Claude Sonnet 5 (普段使いの本命)
"claude-haiku-4-5" # Claude Haiku 4.5 (最速・最安)
⚠️ モデル ID は時期によって変わるので、本番運用では必ず公式ドキュメントを確認してください。 古いモデルは段階的に廃止 (deprecation) されるので、依存している箇所は移行計画を立てましょう。 ID に日付 (
-20250101のような) を付け足す必要はありません。上の文字列がそのまま完全な ID です。
モデルの選び方: eval-driven model selection
- まず Sonnet で試す (コスト・性能のバランス良好)。
- 精度が足りなければ Opus に上げる。
- 速度・コスト最優先なら Haiku に下げる。
- 「ルーター用に Haiku、本処理に Sonnet」のように 混在させる のも有効。
- Opus でも歯が立たない最難関 だけ Fable を検討する。
これは eval-driven (評価駆動) な戦略で、勘ではなく数字で判断します。 評価については第9章で詳しく扱います。
🆕 2026 年の新常識: 「モデルを上げる前に、effort を上げる」 最近のモデルには effort (頑張り度) というツマミがあります (→ ch4-l8)。 「Sonnet だと浅い」と感じたら、いきなり Opus に乗り換える前に 同じモデルの effort を 1 段上げる のが安上がりなことも多いです。 車で言えば「車を買い替える前に、ギアを 1 段上げてみる」感覚です。
claude.ai のプラン (Pro / Max) と使用枠
claude.ai (Web チャット) は 5 時間ごとの使用枠 に加え、週ごとの上限 もあります。 枠を使い切るとリセットまで待つか、上位プランに上げる必要があります。 大きいモデルほど枠を多く消費するので、初心者ほど「ここぞ」で使うクセが大切。
| プラン | 月額 (USD) | 大きいモデル (Opus / Fable) | Sonnet | Haiku | Claude Code | 想定ユーザー |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Free | $0 | ✗ | 少量 | ✗ | ✗ | お試し |
| Pro | $20 | 少なめ | 普通 | ✓ | あり | 個人ユーザー |
| Max 5x | $100 | 多め | たっぷり | ✓ | たっぷり | パワーユーザー |
| Max 20x | $200 | 大量 | 大量 | ✓ | 大量 | 開発者・重度利用 |
| Team / Enterprise | 人数課金 | あり | あり | ✓ | あり | 法人共有 |
💡 正確な料金・上限・使えるモデルは頻繁に変わります。最新情報は https://claude.com/pricing を必ず確認してください。 Max は Pro の 約 5 倍 / 20 倍 の枠と覚えておくと近い。
API 従量課金 (claude.ai のプランとは別建て) はざっくり以下の比率:
| モデル | 入力 1M トークン | 出力 1M トークン | Haiku 比 |
|---|---|---|---|
| Fable 5.1 | $10 | $50 | 約 10 倍 |
| Opus 5 | $5 | $25 | 約 5 倍 |
| Opus 5.5 | $4 | $20 | 約 4 倍 |
| Sonnet 5 | $2 | $10 | 約 2 倍 |
| Haiku 4.5 | $1 | $5 | 1 倍 (基準) |
📉 値下がりの流れ: 2025 年ごろの Opus は $15/$75 で「Haiku の 15 倍」でした。今は Opus 5 でも Haiku の約 5 倍、Sonnet 5 は 約 2 倍 まで縮まっています。 「高いモデルは怖い」という感覚は少し古くなりました。それでも 何万件も回す処理 では差が積み上がるので、分類・抽出は引き続き Haiku が定番です。
大きいモデルの枠を使い切ったら? — 退避戦略
claude.ai で 「上限に達しました」 と出ても慌てず、以下を試しましょう:
| 元のタスク | 退避先 | 理由 |
|---|---|---|
| 複雑なコード生成 | Sonnet | コーディングは Sonnet でも十分強い |
| 校閲・要約・翻訳 | Haiku | 軽作業に大きいモデルはオーバースペック |
| アイデア出し・ブレスト | Sonnet | 創造性は Sonnet でも問題なし |
| 深い推論・論文読解・戦略 | リセットを待つ or Sonnet で再挑戦 | 大きいモデルでないと厳しい場面 |
Claude Code では /model でその場で切り替え可能 (例: /model sonnet)。
claude.ai はチャット入力欄のモデル名をクリックして切り替えられます。
モデル別「やるべきタスク」例
🏛️ Fable が活きる場面 (切り札)
- Opus でも解けなかった 最難関の推論・設計
- 何時間もかけて進める 長期の自律作業 (大規模な移行や調査を丸ごと任せる)
- ⚠️ 1 回の返事に数分〜十数分かかることも普通。「待てる仕事」専用 と考える
🦅 Opus が活きる場面 (ここぞ用)
- 複雑な 多段推論 (法務分析、論文読解、長期戦略立案)
- 大規模コードベースの リファクタリング設計 (アーキテクチャ判断を含む)
- 微妙なニュアンスの文章 (謝罪文・交渉メッセージ・重要な提案書)
- 他モデルが手詰まりだった難問の セカンドオピニオン
⚖️ Sonnet が一番使われる場面 ← 普段使いはここ
- 日常の コーディング (生成・レビュー・テスト・デバッグ)
- ブログ記事・メール・ドキュメント 執筆
- データの 整形・変換・分析
- ChatGPT 的な 対話相手 として
- ほとんどの 業務タスク
⚡ Haiku が威力を発揮する場面
- 短い 質問への即答
- 要約・分類・抽出 (1000 件のレビューにラベル付けなど)
- 長文の 翻訳
- リアルタイム応答 が必要なアプリ (チャットボット最前段)
- 大量バッチ処理 (コスト最優先)
🎯 初心者の鉄則: 困ったら Sonnet。重要な意思決定だけ Opus。雑用は Haiku。Fable は最難関の切り札。
コンテキストウィンドウとトークン
各モデルが一度に扱える入力の最大長は コンテキストウィンドウ と呼ばれます。 現行の Fable / Opus / Sonnet は 100 万トークン (1M) が標準、Haiku 4.5 は 20 万トークン (200K) です。
📚 1M トークンってどのくらい? 日本語の文庫本なら 数冊〜10 冊分 をまとめて机に広げられるイメージです。 「机が広い」ほど資料を一度に見られますが、広げた分だけ料金もかかる ので、関係ない資料まで載せないのがコツです。
日本語は概ね 1 文字 1〜2 トークン、英語は 1 単語 1 トークン 程度です。
同じプロンプトでもモデルで結果は違う
大きいモデルは深い推論、Sonnet はバランス、Haiku はスピード重視で応答します。 実際に違いを見てみましょう。
「Pythonのデコレータ」を 3 行で説明してください。「Pythonのデコレータ」を 3 行で説明してください。演習: 3 モデルを比較する
同じプロンプト を Haiku / Sonnet / Opus の 3 モデルで実行し、応答の質・速度・長さを比較してください。
プロンプト案:
次のフィボナッチ実装のバグを直してください:
def fib(n): return fib(n-1) + fib(n-2) if n > 1 else n
観察ポイント: 1. 完了までのレイテンシ (体感) 2. 説明の深さ 3. 修正コードの正しさ 4. usage の input/output トークン数
まとめ
お疲れ様でした!