← レッスンに戻る
第7章 · Claude on the Web

claude.ai の Skills (スキル)

Skills on claude.ai · 約 12 分

重要キーワード

English日本語説明
Skill スキル Claude が必要時に読み込む「指示+スクリプト+参考資料」のフォルダ
SKILL.md スキル定義 Skill の入り口ファイル。YAML frontmatter (name, description) + Markdown 指示文
Pre-built Skills 公式 Skill Anthropic が提供する PowerPoint / Excel / Word / PDF 等の標準 Skill
Custom Skills カスタム Skill ユーザーが作成し ZIP でアップロードする独自 Skill
Code Execution コード実行 Custom Skill のスクリプトを動かすための claude.ai 上のサンドボックス

Skills とは

Skill = Claude が必要なときだけ読み込む「専門タスク用パッケージ」。 SKILL.md (指示文) + 任意のスクリプト・参考ファイル を 1 つのフォルダにまとめ、 description で「どんな時に発動するか」を Claude 自身に判断させる 仕組み。

[Claude Code (ローカル)]            [クラウド版 Claude Code (クラウド)]
    │                                       │
    │ 1. 設計・準備                          │
    │ 2. 機密データの匿名化                   │
    │   ───────────► 公開可能データを渡す──► │
    │                                       │ 3. 重い処理 (時間・並列)
    │ ◄──── 成果物 ((PR / Drive)) ──────────│
    │                                       │
    │ 4. 結果のレビュー・微調整               │
    │ 5. 本番反映                           │

SKILL.md の中身は最小こんな感じ:

[Code]    競合リスト (CSV) を準備、対象URL を確認
   ↓
[クラウド版 Claude Code]  30 社の料金ページをスクレイプ → 表化 → Drive 保存
   ↓
[Code]    前週との差分を計算 → 重要変更 3 件を抽出
   ↓
[Slack]   #leadership に「今週の動き」サマリ投稿

公式 Skill (Pre-built)

Anthropic が用意していて 誰でも使える のがこちら (2026 年時点):

Skill 主な用途
PowerPoint スライド生成 (テンプレートに沿った企画書など)
Excel 表計算ファイル作成 + 数式・グラフ
Word 体裁整った文書作成
PDF Form PDF フォームへの自動記入

公式 Skill は Free プランでも使える (利用回数制限あり)。

Custom Skill の作り方

  1. 上記の構造でフォルダを作る
  2. ZIP に固める
  3. claude.ai で Settings → Customize → Skills → "+ Create skill" からアップロード
  4. プロンプト中で必要時に Claude が自動 invoke する (description がトリガー)

💡 Custom Skill は Pro / Max / Team / Enterprise プラン + Code Execution 有効化 が必要。

Claude Code の Skills と何が違うか

claude.ai の Skill Claude Code の Skill (ch6)
使う場所 ブラウザの Claude チャット ターミナル / IDE の Claude Code
配布 ZIP アップロード リポジトリ内 .claude/skills/
実行環境 claude.ai のサンドボックス ローカルマシン
想定ユーザー ナレッジワーカー 開発者
Skill のフォーマット 同じ (SKILL.md + YAML) 同じ

⚠️ ここが重要: SKILL.md のフォーマットは共通。 1 度書いた Skill は claude.ai / Claude Code / Claude API で同じものが使える。 (ただし呼び出し可能なツールは環境ごとに違う — claude.ai なら sandbox、Claude Code ならローカル CLI)

description の書き方が成否を分ける

Claude は description を読んで「この Skill を発動すべきか」を自分で判断する。 description が曖昧だと 発動しない間違ったタイミングで発動する

❌ 悪い description ✅ 良い description
"request handling" "ユーザーが PDF 請求書を添付して 金額/日付/税額 を抽出したい時に使う"
"Excel の処理" "売上データの CSV を渡されてピボット表+グラフ付き .xlsx を返す時に使う"
"ヘルプ" "(具体的な状況がない → そもそも Skill 化不要)"

いつ Skill 化するか

✅ 向いている: - 同じ手順を繰り返す業務 (請求書処理・週報生成・特定フォーマットへの変換) - 特殊な社内ルール (ブランドガイドライン・略語辞書・命名規則) - 専門ファイル形式 (社内独自の YAML / 設計書テンプレ等)

❌ 向いていない: - 1 回限りのアドホックな指示 → 普通のプロンプトで十分 - 機密情報そのものを Skill に書き込む (Skill は使い回されるのでログに残りやすい)

ベストプラクティス

  1. まず公式 Skill を試す — どう動くかを体感してから自作へ
  2. 小さく始める — SKILL.md だけで完結する Skill から作る (スクリプトは後で追加)
  3. description はテストする — 同じ Skill を何度か違う言い回しで呼んでみて、確実に発動するか確認
  4. 信頼できないソースの Skill を入れない — Skill は claude.ai 上で動くので、悪意ある Skill は脅威になりうる
  5. Team 共有は Custom Skill — 同じ Skill をチーム全員に配ると「業務の標準化」が進む
▶ Skill 案を相談
私は経理担当者です。毎月 30 通ほど取引先から PDF 請求書が届き、金額・税額・支払期日を Excel に転記しています。これを Custom Skill にするとしたら、SKILL.md の name / description / 指示本文をどう書くべきか案を 3 通り出してください。発動条件 (description) の差分を明示すること。

演習問題

演習 1: 公式 PowerPoint Skill を使ってみる

claude.ai 上で公式 Skill を意識的に使ってみてください。

  1. Pre-built Skill が有効化されているか確認 (Settings → Customize → Skills)
  2. 3 枚のスライド で〇〇の企画書を作って」と依頼 (PowerPoint Skill が自動 invoke される)
  3. 結果を .pptx でダウンロード して PowerPoint で開く
  4. 普通のプロンプト (Skill なし) で同じ依頼をした時との差を観察
スタータープロンプト:
新規事業「AI 議事録 SaaS」の社内向け企画書を 5 枚のスライドで作ってください。表紙 / 課題 / 解決策 / 市場規模 / 来期計画 の構成。色は控えめ、フォントは見やすさ重視で。
ヒントを見る

Claude が「Skill を使った」ことはチャット内のシステムメッセージや、添付された .pptx ファイルから判別できます。

サンプル解答を見る

良い結果は:

  • ダウンロード可能な .pptx ファイルが添付される
  • 各スライドが独立したページで構成されている (1 枚に詰め込まない)
  • 文字情報だけでなくレイアウトが整っている (タイトル / 箇条書き / 表 等)

演習 2: Custom Skill を 1 つ書いてみる (Pro プラン以上)

あなたの業務で 「同じ手順を毎週やっている」 作業を 1 つ思い浮かべて、最小の SKILL.md を書いてください。

要件: 1. name は kebab-case (例: weekly-report-summarizer) 2. description には 発動条件 (どんな入力が来た時に動くか) を具体的に書く 3. 本文の指示は箇条書きで、出力フォーマットも明記 4. (任意) ZIP に固めて claude.ai にアップロードして実際に発動するか試す

スタータープロンプト:
私は人事担当で、毎週金曜に Slack の #general から「週次のお知らせ」を抽出して Notion ページにまとめています。これを Custom Skill にしたいので、name / description / 本文 (Markdown) を書いてください。発動条件は「Slack の URL / エクスポート JSON が貼られたら」とします。
ヒントを見る

description が抽象的だと Claude が発動を判断できません。「ユーザーが Slack のスレッド URL or 1 週間ぶんのメッセージを貼り付けた時」と発火条件を明示するのがコツ。

サンプル解答を見る

良い SKILL.md は:

---
name: weekly-slack-digest
description: ユーザーが Slack の #general の 1 週間ぶんメッセージ (URL or JSON) を貼り付けた時に、人事週報フォーマットで要約する
---

# 週次お知らせダイジェスト

1. メッセージを「重要 / お知らせ / 雑談」に分類
2. 「重要 / お知らせ」のみを Notion ページ用 Markdown で要約
3. 出力フォーマット: 見出し + 日付 + 投稿者 + 1 文サマリ

理解度チェック

  1. claude.ai の Skill と Claude Code の Skill の関係は?
    1. 全く別物で互換性はない
    2. SKILL.md のフォーマットは共通で、動く環境だけが違う
    3. Claude Code の Skill は claude.ai では一切動かない
    4. claude.ai の Skill は Python のみ、Claude Code は Markdown のみ
  2. Skill が **発動するかどうか** を Claude が判断する根拠は?
    1. ファイル名
    2. SKILL.md 内の description (YAML frontmatter)
    3. ZIP のサイズ
    4. ユーザーが明示的に Skill 名を呼ぶことが必須
  3. Custom Skill に必要なプランは?
    1. Free でも作れる
    2. Pro / Max / Team / Enterprise + Code Execution 有効化
    3. Enterprise のみ
    4. Claude Code のサブスクリプションのみ
  4. Skill 化に **向かない** 業務は?
    1. 毎月の請求書 PDF からの数値抽出
    2. ブランドガイドラインに沿った文章生成
    3. 1 回限りのアドホックな質問
    4. 週次レポートの定型フォーマット化
解答と解説を見る
  1. B — Skill のフォーマット (SKILL.md + YAML frontmatter) は共通で、claude.ai / Claude Code / Claude API で同じ Skill が再利用できます。
  2. B — description が具体的であるほど Claude は適切なタイミングで Skill を invoke します。曖昧だと発動しない / 誤発動します。
  3. B — 公式 Pre-built Skill は Free でも一部使えますが、Custom Skill のアップロード+コード実行は Pro 以上が要件です。
  4. C — 1 回限りの作業は普通のプロンプトで十分。Skill は「繰り返し発生する手順」のパッケージ化に向きます。