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第1章 · Claude入門

2026 年 夏〜秋のアップデート — 使い方はこう変わった

What's New in Summer–Autumn 2026 · 約 15 分

重要キーワード

English日本語説明
Cowork コワーク Claude がファイル操作や複数ステップの作業を代わりに進めるモード。2026 年 9 月にふつうのチャットと統合された
Artifacts アーティファクト 会話の横に作るページ・ツール。共有・データ保存・Claude 呼び出しができ、小さなアプリとして配れるようになった
Memory メモリ 会話をまたいで Claude があなたの情報を覚えておく機能。覚えた内容は自分で確認・編集・除外できる
Claude in Chrome クロームの Claude Chrome ブラウザを Claude が代わりに操作する拡張機能。2026 年 8 月に全有料プランで一般提供
auto mode オートモード Claude Code で、安全な操作は確認なしで進め、危ない操作だけ止める仕組み。判定は分類器が行う
Routines ルーティン 決まった時間やきっかけで Claude Code のエージェントを自動実行する仕組み

この 4 か月で何が変わった? (The Big Picture)

2026 年の 6 月から 9 月にかけて、Claude は モデル だけでなく 使い方そのもの が大きく変わりました。 一言でまとめると、Claude は 「質問に答えてくれる相手」から「仕事を任せられる同僚」へ 進化しています。

🧑‍💼 たとえるなら「アルバイトから正社員へ」 以前の Claude は、聞かれたことに丁寧に答えてくれる 優秀なアルバイト でした。 今の Claude は、書類を作り、ブラウザを操作し、あなたのことを覚えていて、決まった時間に自分で仕事を始める ——いわば 任せられる正社員 に近づいています。

このレッスンでは、ChatGPT 経験者・Claude 初心者の目線で「明日から何が変わるか」を 3 つの場面に分けて紹介します。

場面 主な変化
🗨️ claude.ai (チャット) Cowork 統合 / Docs・Slides / Artifacts のアプリ化 / メモリ / Projects 刷新 / Chrome 操作
💻 Claude Code 既定モデルの更新 / auto mode / ultracode / Artifacts 公開 / routines
🔧 API (開発者) 思考は effort で調整 / refusal と fallbacks / 各種機能の正式版 (GA) 化

モデルの話 (Fable 5.1 / Opus 5.5 / Sonnet 5) は前のレッスン ch1-l6 を見てください。

🗨️ claude.ai — チャットが「作業場」になった

1. チャットと Cowork が 1 つに (9 月 16 日)

Cowork は、Claude がファイルを作ったり、複数ステップの作業を代わりに進めたりするモードでした。 これまでは「チャット」と「Cowork」を切り替えて使っていましたが、9 月に 1 つに統合 されました。

🏠 たとえるなら「リビングと書斎の壁を取り払った」 ——話す場所と作業する場所が同じになりました。 雑談の流れで「じゃあ、それを資料にして」と言えば、その場で作業が始まります。

📅 Pro / Max プランから数週間かけて順次展開され、Team・Free プランが続きます。まだ自分の画面に出ていなくても故障ではありません。

2. Artifacts が「配れる小さなアプリ」に (8 月 19 日)

Artifacts (→ ch7-l1) は、会話の横に作るページやツールのことです。8 月の刷新で、作って終わりではなく、人に配って使ってもらえる ものになりました。

できるようになったこと 例
共有 (最初は自分だけ → 組織内 → 外部公開) 作ったチェックリストをチームに配る
データの保存 アンケートの回答や、みんなの投票結果を残せる
Claude の呼び出し 「文章を入れると添削してくれるページ」を作って配れる
テンプレート Docs / Slides / Design のひな形から始められる

🍳 たとえるなら「レシピから料理教室へ」 ——以前は「レシピ (コード) を渡す」だけでしたが、今は「その場で料理して、みんなに食べてもらえる」ようになりました。 ⚠️ テンプレート・データ保存・外部データ連携は Pro 以上 の機能です。共有範囲は最初「自分だけ」なので、誰に見せるかは必ず自分で決めてから 共有しましょう。

3. メモリ — Claude があなたを覚える (7〜8 月)

メモリ は、会話をまたいで Claude があなたの情報 (仕事の内容、好みの書き方など) を覚えておく機能です。7 月に仕組みが刷新され、8 月には チャットと Cowork の両方で共通のメモリ が使えるようになりました。

📒 たとえるなら「優秀な秘書の手帳」 ——毎回「私は事務職で…」と自己紹介しなくても、秘書が手帳を見て思い出してくれます。 しかも その手帳はあなたも読めて、書き直せる。「この話はメモしないで」と頼むこともできます。

🔐 ch1-l5 のマナーを思い出しましょう。会社の機密や他人の個人情報を覚えさせない のが基本です。

4. Projects の刷新 (9 月 17 日〜、順次)

Projects (→ ch7-l1) が「フォルダ型」から「会話型」に変わり始めています。 まとめ役 (コーディネーター) が複数の作業スレッドを並行して進め、スレッドどうしで情報を共有します。

🏗️ たとえるなら「現場監督のいる工事現場」 ——あなたが監督に「家を建てて」と頼むと、監督が大工さん・電気屋さん・水道屋さんに仕事を振り分け、進み具合をまとめて報告してくれます。

一部ユーザーから順次展開中の新機能なので、画面の見た目は人によって違う場合があります。

5. Claude in Chrome — ブラウザ操作を任せる (8 月 26 日)

Chrome ブラウザを Claude が代わりに操作する拡張機能が、全有料プランで一般提供 (GA) になりました。 「このサイトで〇〇を調べて表にまとめて」のような、クリックと入力の繰り返し を任せられます (→ ch7-l7 Computer Use)。

🚗 たとえるなら「運転代行」 ——目的地を伝えれば運転してくれますが、行き先と、どこまで任せるかを決めるのはあなた です。 ⚠️ ネットバンキングや買い物など お金が動く操作 は、最後の確認を必ず自分の目で。

6. その他の注目アップデート

💻 Claude Code — 「任せ方」の選択肢が増えた

Claude Code (第 5〜6 章) にも、この期間に大きな変化がありました。

変化 中身 たとえると
既定モデルの更新 Sonnet 5 が既定に。Opus は Opus 5.5 が既定 社用車が新型に入れ替わった
auto mode 安全な操作は確認なしで進め、危ない操作だけ分類器が判定して止める。9 月からは判定がサーバ側で行われ、API / Enterprise / クラウド各社の環境で既定に 自動運転の「危ないときだけブレーキ」
ultracode 数十のサブエージェントに調査・実装・検証を並列で任せる総力戦モード (→ ch4-l8) 1 人の職人ではなく、チームで一気に仕上げる
Artifacts 公開 作業の結果を、自動で更新される共有ページとして出せる 作業日報が自動で掲示板に貼られる
routines / /loop 決まった時間や GitHub の出来事をきっかけに、エージェントを自動実行 毎朝決まった時間に動き出す目覚まし付きロボット
AGENTS.md 対応 CLAUDE.md が無いプロジェクトでは AGENTS.md を読む 他の AI ツール用の「引き継ぎメモ」もそのまま読める

💡 ここだけ覚えれば OK: Claude Code の「確認ダイアログが多すぎて面倒」問題は、auto mode という「賢い自動許可」で解決に向かっています。 一方で、何でも自動で許可する設定 は今も危険です。ch6-l6 (Permissions) の考え方は変わりません。

🔧 API (開発者向け) — 「ツマミ」が変わった

開発者向けの変化は ch1-l6 と第 4 章で詳しく扱います。ここでは見出しだけ押さえましょう。

変化 ひとことで 詳しく
思考は effort で調整 「何トークン考えるか」ではなく「どのくらい本気を出すか」を伝える ch4-l3 / ch4-l8
refusal と fallbacks 安全装置の拒否に備え、自動で別モデルに代打を出せる ch1-l6
プリフィル・temperature の廃止 回答の書き出し指定やランダムさ調整は、構造化出力などの別の方法へ ch2 / ch4-l7
Files API・Skills・Computer Use が正式版に (8 月) 「ベータ」の札が取れて、本番で使いやすくなった ch3-l6 / ch6-l3 / ch7-l7
Python SDK v1.0 (8 月) Python 3.10 以上が必須に。古いコードは移行が必要 ch3-l1
Managed Agents Anthropic がエージェントの実行環境ごと面倒を見てくれるサービス。スケジュール実行・記憶などが追加 ch10-l3 (自前で作る Agent SDK と比べてみよう)

🔧 たとえるなら「車の操作系がオートマになった」 ——以前は「ギアを何速に入れるか (budget_tokens)」を自分で決めていましたが、今は「エコ / ノーマル / スポーツ (effort)」を選ぶだけ。細かい変速は車 (Claude) がやってくれます。

新機能との付き合い方 — 3 つのコツ

新しい機能が毎週のように出てくると、「追いつけない」と焦るかもしれません。でも大丈夫。コツは 3 つです。

  1. 全部追わない。自分の仕事に効くものを 1 つだけ選ぶ → 新しい道具は 1 つずつ手に馴染ませる方が定着します
  2. 「まだ出ていない」は普通のこと → 新機能はプランや地域ごとに 順番に 届きます。友だちの画面にあって自分に無いのはよくあること
  3. 公式情報で確かめる → SNS の噂より、公式のリリースノート (下記) が確実

公式の情報源

⚠️ このレッスンは 2026 年 9 月末時点 の情報です。機能名・提供範囲・料金は変わることがあるので、使う前に公式情報を確認してください。

まとめ

▶ Playground で試す — 自分の「新機能 1 つ」を選ぶ
私は ChatGPT を少し使ったことがある Claude 初心者です。仕事は【ここに自分の仕事を書く】です。Claude の新機能「チャットと Cowork の統合 (会話の中で資料作成やファイル整理を任せられる)」「共有できる Artifacts (作ったページやツールを人に配れる)」「会話をまたぐメモリ」の中から、私に一番効きそうなものを 1 つだけ選び、身近なたとえを使って、最初の 1 週間の試し方を 3 ステップで教えてください。

演習問題

演習 1: 自分の「使い方アップデート計画」を作る

このレッスンで紹介した新機能のうち、あなたの普段の仕事・生活で一番効きそうなもの を Claude と一緒に選びます。

やり方: 1. 下のプロンプトの【 】を自分の状況に書き換えて実行 2. 提案された「最初の 1 週間でやること」を 1 つだけ実際に試す 3. 使ってみた感想を学習ログに残す

観察ポイント: Claude が「全部使いましょう」ではなく、あなたの状況に合うものを絞って 提案できているか。

スタータープロンプト:
私の状況: 【例: 事務職。毎週、会議の議事録をまとめてメールで共有している。ChatGPT は使ったことがあるが Claude は初心者】

2026 年秋の Claude の新機能 (チャットと Cowork の統合、Claude Docs / Slides、共有できる Artifacts、会話をまたぐメモリ、Claude in Chrome、Projects の刷新) のうち、私に一番効きそうなものを 2 つだけ選び、(1) なぜ効くか、(2) 最初の 1 週間で試すこと、(3) 気をつけること を、身近なたとえを 1 つ交えて教えてください。
ヒントを見る

「全部試したい」と思っても、まずは 1 つ。新しい道具は 1 つずつ手に馴染ませる 方が定着します。

理解度チェック

  1. 2026 年 9 月、claude.ai のチャットと Cowork はどうなった?
    1. Cowork が廃止された
    2. 1 つに統合され、どの会話からでも Cowork の機能が使えるようになった
    3. Cowork だけ有料になった
    4. チャットが廃止された
  2. 新しい Artifacts でできるようになったこととして誤っているものは?
    1. 作ったページを組織内や外部に共有する
    2. ページにデータを保存する
    3. ページの中から Claude を呼び出して小さなアプリにする
    4. 閲覧者のパスワードを自動で集める
  3. Claude のメモリ (会話をまたいで覚える機能) について正しいものは?
    1. 一度覚えたことは絶対に消せない
    2. 覚えた内容を自分で確認・編集でき、センシティブな話題を除外する設定もある
    3. メモリは API でしか使えない
    4. メモリはすべての人と共有される
  4. Claude Code の auto mode の考え方として正しいのは?
    1. すべての操作を確認なしで実行する
    2. すべての操作で毎回確認を求める
    3. 安全な操作は確認なしで進め、危ない操作は分類器が判定して止める
    4. ファイルの読み取りだけを許可する
  5. 新しい機能がどんどん出てくる時期の付き合い方として、最もおすすめなのは?
    1. 全部の新機能を一度に試す
    2. 自分の仕事に効きそうなものを 1 つ選び、1 週間使ってみる
    3. 落ち着くまで一切使わない
    4. SNS の評判だけで判断する
解答と解説を見る
  1. B — モードを選ばなくても、ふつうの会話の中で Cowork の「作業を代わりに進める」機能が使えるようになりました。
  2. D — 共有・データ保存・Claude 呼び出しは新機能ですが、パスワード収集のような用途はもちろん不可です。作ったページは最初は非公開で、共有するかは自分で決めます。
  3. B — 覚えた内容はトピックごとに確認・編集でき、覚えてほしくない話題を除外することもできます。「優秀な秘書の手帳」を自分でも見られるイメージです。
  4. C — 自動運転の「危ないときだけブレーキ」のように、日常の操作はスムーズに進め、危険な操作だけを止める仕組みです。
  5. B — 新しい道具は 1 つずつ手に馴染ませる方が定着します。効果を感じたら次の機能へ、の順番がおすすめです。